マイナンバーカード保険証を使うと医療費が高くなる?

2022/08/17

コラム「マイナンバーカードについて考える」⑤
マイナンバーカード保険証を使うと医療費が高くなる?

 マイナンバーカードと保険証の機能を併せ持つ「マイナ保険証」。しかし、私たちがマイナ保険証を利用するには、医療機関がオンライン資格確認システムに対応していなければなりません。そのためまだ、マイナ保険証が使える医療機関は多くありません。
 国や自治体がほとんど告知していないので、あまり知られていませんが、マイナ保険証が利用できる医療機関でマイナ保険証を利用すると、窓口で支払う医療費がこれまでより高くなります。「オンライン資格確認」を導入している医療機関は、診療報酬を加算できるという国からの通達が出ています。それにより、3割負担の方で初診が21円、再診で12円これまでより支払う金額が高くなります。また、オンライン資格確認が導入されている医療機関では、マイナ保険証を利用せず今までの保険証を使ったとしても、医療機関によっては令和6年3月31日までは3割負担の方で9円の支払い増になることもあります。
 マイナ保険証を利用していなくても、マイナ保険証が使える医療機関などで通常の受診をした際に医療費が高くなってしまうのは、マイナ保険証を使えるようにするための費用は、原則、医療機関などが負担するものとなっていて、その負担を補うために、国は追加で診療報酬を加算してもよいとしているからです。
 今後もマイナ保険証によって私たちの医療費の負担が重くなる可能性があります。私たちも考えなければならない問題ではないでしょうか。